少年野球の問題としてピッチャーのケガがよく取り上げられます。
最近は特にピッチャーの投球制限が話題に上ることが多いように感じています。
これは、身体が未発達の子供に負荷をかかりすぎることを懸念してのことです。
そのため高校野球の大会でも休養日を設けたり、タイブレークが導入されたりと、少しずつ改善が進められています。
ピッチャーをやっている選手の親御さんにとっては他人事ではありません。
例えば、こんな悩みをお持ちなのではないですか?
- 試合後や練習後、肩の疲労感が抜けきらない
- 投球後に肩の痛みや肩の張りがある
- 投球時のケガを予防したい
こういったことを防ぐために、今では普通に「アイシング」が行われています。
プロ野球でもピッチャーがアイシングしながらベンチにいる姿は、よく見かけます。
しかし、私は以前から1つの疑問を持っています。
「はたして、本当にアイシングに効果はあるのだろうか?」
と。
プロ野球の選手が取り入れるくらいだから効果はあるのだろうとは思います。
でも、その理由がわかっていません。
そこでアイシングの効果について調べてみましたので、まとめておきたいと思います。
この記事はこんな人にオススメ
- ピッチャーのアイシングに効果があるのか知りたい人
- あらためてアイシングをする目的や意義を確認しておきたい人
- ピッチャーのケガを防止する方法を知りたい人
本記事の執筆にあたって
ピッチャーのアイシングの効果に関しては、3つのサイトを参考にしました。
私自身はまったくの素人です。
そこで専門家が書いているサイトを探して概ね共通する意見としてまとめました。
参考にしたサイト
ピッチャーのアイシングに効果はあるのか?
アイシングの効果は、「あるとも言えるし、ないとも言える」というのが答えになります。
例えば、ケガをしたときの応急処置としてのアイシングは効果があります。
また、必要に応じてアイシングをすることが推奨されています。
このアイシングには大きく2つの効果があるようです。
- 痛めた箇所の腫れを引かせる
- 痛みを減らす、または痛みを感じにくくする
一方、アイシングは筋肉の損傷自体の回復を早めるものではありません。
また、ケガからの回復が早くなったというデータもないようです。
この効果の違いは、何が原因なのでしょうか。
それは、アイシングの目的にあります。
効果があるとした前者のアイシングは、痛みや炎症に対する応急処置が目的です。
それに対して後者のアイシングは、身体のケアを目的としています。
まずはこの違いを理解することが必要です。
ピッチャーのアイシングの目的はと言えば、後者の身体のケアですよね。
ここをもう少し掘り下げてみましょう。
ピッチャーのアイシングの目的
ピッチャーがアイシングを行うのは、投球後に肩や肘をケアするためです。
肩や肘のケガを防止することが目的と言っても差し支えないでしょう。
ピッチャーのアイシングの効果を考えるときは、この目的が前提です。
すなわち、「アイシングに肩や肘のケガを防止する効果はあるのか?」という問題を解くことになります。
RICE処置の1つがアイシングであることからもわかると思います。
メジャーリーグではアイシングでコンディションが良くなったというデータが出なかったそうです。
そのため、ケアとしてのアイシングは利用されなくなっているようです。
しかし、日本ではまだアイシングが主流です。
アイシングの是非については、まだまだ議論の余地がありそうですね。
ピッチャーのアイシングが必要なとき
繰り返しになりますがアイシングはその目的によっては有効です。
参考サイトを読む限り、ピッチャーのアイシングが明らかに必要なときは、この2つです。
アイシングが必要なとき
- 投球後に痛みや熱感など炎症見られるとき
- アイシング後や翌日のコンディションが明らかに良くなるとき
逆に言えば、炎症がないときはアイシングは必要ないんですね。
それよりも軽く動かしたりインナーマッスルを刺激するといったケアがよいようです。
アイシングをするとその部位が冷やされます。
冷やされることで筋肉や関節の動きが悪くなり、ケガにつながることもあるみたいです。
これには注意が必要ですね。
アイシングは諸刃の剣?
ここまでアイシングの効果について見てきました。
併せてアイシングのデメリットについても認識しておいた方がいいでしょう。
先ほども言いましたが、かえってケガにつながる場合があるからです。
アイシングすると痛みを感じにくくなります。
デッドボールのときに冷却スプレーをするのは、このためです。
一時的に痛みを感じにくくしてプレーを続けられるようにするわけです。
実は、「痛みを感じにくくなる」ことに問題があります。
アイシングが常態化すると、痛みに気づきにくくなる恐れがあります。
そうすると、ケガが悪化していても痛くないのでプレーを続けられます。
結果として、気が付いたときには、重症化しているという事態になりかねません。
これは、きわめて重大なリスクです。
下手をすると選手生命を絶たれることになるかもしれません。
こうしたリスクも考慮しつつ、適切にアイシングをすることが必要だと思います。
そのためには、最低限ここに書いた知識くらいは持っておくべきでしょう。
何も知らないと、いつでもどんなときも「アイシングしとけよ!」としか言えなくなります。
ケガのリスクを抑えることが必要
アイシングの効果とそのリスクについて、ここまで見てきました。
そもそもアイシングを目的は、「ケガを防止すること」ことです。
アイシングだけに頼らずにケガを防止することはできないのでしょうか。
私なら、こういう方法を模索します。
- ケガをしにくいフォームを身につける
- ケガを防止するためのトレーニングを行う
- その他、ケガを防止する方法を学ぶ
明らかに炎症を起こすなど、冷やすべきときはアイシングを行います。
が、一方で体のケアはトレーニング方法を改善すればいいのです。
そもそもケガをしにくい投げ方ができないと、ケガ体質になってしまいます。
原因を元から断つという発想も必要だと思うのです。
原因を断てば、ケガしにくい体にもなるでしょう。
対処療法ではまた再発の可能性があります。
特に小中学生のうちにケガをすると野球人生が断たれる可能性もあります。
将来の道を閉ざさないためにもケガをしにくい体を作ることを考えてはいかがでしょうか。
この記事のまとめ
最後にこの記事の内容を整理しておきます。
この記事のまとめ
- アイシングは、腫れを引かせたり、炎症を抑えるときに有効
- 身体のケアを目的としたアイシングの効果には議論の余地がある
- アイシングを習慣化することでケガの重症化を引き起こすリスクがある
- そもそもケガをしにくい体質にすることも大事
- そのために正しい知識を持っておくことが望ましい
少年野球に取り組む子供を持つ親として、子どもの健康状態をケアすることは大事です。
そのためには親自身が正しい知識、最新の知識を知ることが必要です。
それを怠ると、最悪野球選手としての寿命を短くする恐れがあります。
うちのチームでは判を押したようにアイシングをしています。
投球数に関係なく。
それってどうなのかな?って思いますよね。
やはり、自分自身が納得して子供に伝えられるようにしないといけないなって思います。
ぜひ、お子さんのためにあなたもいろいろなところから知識を吸収してください。