なんで、守備妨害になってしまったんでしょう??
スリーフットレーンのルールを理解すれば、これは明らかに守備妨害だとわかります。
1つずつ解説していきましょう。
この記事はこんな人にオススメ
- 日本シリーズで起きたプレーがどうして守備妨害になるのか知りたい
- このプレーでどのようにルールが適用されたのか知りたい
- このプレーでの審判の動き方から審判のコツを学びたい人
2014年日本シリーズは守備妨害で終了
2014年の日本シリーズは、ソフトバンクvs阪神。
最後は阪神西岡選手(当時)が守備妨害を取られるという何とも後味の悪い終わり方でした。
この記事では、このプレーから次の2つについて解説していきます。
この記事で学ぶこと
- 事例のプレーのケースで、どのようにルールが適用されたのか学ぶ
- 事例のプレーのケースで、審判の動き方から審判のコツを学ぶ
まず、2014年日本シリーズの最後のプレーとなった守備妨害のプレーの状況を整理しておきます。
プレーの概要
- ソフトバンクが1-0でリードして迎えた9回表、阪神の攻撃
- 1アウト満塁でバッター西岡選手
- 3ボール1ストライクから打った打球はファーストゴロになる
- 一塁手から捕手へ送球されて、本塁はフォースアウト(2アウト)
- さらに、捕手から一塁ベースカバーの野手に送球される
- ここで、ボールがバッターランナーの西岡選手に当たった
- ボールが外野を転々とする間に、二塁ランナーがホームイン
- 同点!かと思いきや、球審が守備妨害を宣告
- 守備妨害によりバッターランナーがアウト(3アウト)でゲームセット
動画を掲載しない理由
本来であれば、プレーを動画で見る方が理解しやすいです。
しかし、著作権をクリアした動画が入手できませんので、動画は掲載しません。
動画を見たい場合は、YouTubeで検索してください。
なぜ西岡選手のプレーは守備妨害になったのか?
西岡選手が守備妨害を取られたのは、スリーフットレーンの外側を走っていたからです。
本人はギリギリを走っていたと言っていたようですが、完全にはみ出して走っていました。
公認野球規則には、次の通り規定されています。
このルールに抵触したために、守備妨害を取られたのです。
守備妨害のペナルティの適用ルール
バッターランナーがアウトになるのは、上に掲載したルールで明らかです。
問題は、本塁のフォースアウトも認められていることです。
守備妨害が宣告されたとき、別のところで起きたプレイによるアウトが認められるのかがポイントです。
実は、スリーフットレーンの守備妨害が発生する前に起きたプレイは有効になのです。
もし、得点していれば、得点は認められます。
もちろん、アウトが取られていれば、そのアウトは認められます。
今回のケースでは、守備妨害発生前に本塁がフォースアウトになっています。
このプレイは有効、つまりアウトは有効なのです。
これに加えて、バッターランナーも守備妨害でアウトになったんです。
結果として、2つのアウトを取れたことになり、3アウトで試合終了となりました。
スリーフットレーンの守備妨害に関するルールを徹底的に詳しく解説した記事があります。
細かいことはこちらで確認してください。
スリーフットレーンの外側を走って起こる守備妨害のルールを徹底解説!!
続きを見る
2014年日本シリーズ守備妨害の事例から学ぶ審判のコツ
ここまで野球ルールの話をしてきました。
このプレーを守備妨害と宣告できた審判って、ちゃんと見ているんだなあって私は思いました。
このケースは球審がジャッジするんですけど、球審が確認しないといけないポイントは3つあります。
球審が見るポイント
- 本塁のフォースプレイがアウトかセーフか正しくジャッジする
- バッターランナーがスリーフットレーンの内側を走っているかチェックする
- バッターランナーに送球が当たった瞬間、どこを走っていたかチェックする
1と2,3は別のプレイです。
2つのプレイを同時にジャッジするわけですね。
でも、これら2つのジャッジは、短い時間で行われます。
なので、1つジャッジして移動する時間なんてないんです。
何が言いたいかというと、この球審は予め2つのプレイをジャッジするために最適な場所に立っていたということです。
2や3のプレイが起こるかもしれないと予測したうえで、立ち位置を決めているんです。
先のプレイを予測して最適な位置取りをするって、なかなかできるもんじゃありません。
だから、すごいなあって思ったんです。
2014年日本シリーズは守備妨害で終わるという何とも言えない終わり方でした。
でも、審判を学んでいる私たちからすると良い教材なんですね。
ということで、この事例から学べる審判のコツを3つ挙げておきます。
事例から学ぶ審判のコツ
- 審判は、先に起こるプレイを常に予測すること
- 2つ以上のプレイをジャッジするのに移動できないときは、それらのプレーを俯瞰できる位置に立つこと
- また、それらのプレーをすべて正確にジャッジできる角度から見ること
この記事のまとめ
では、最後にまとめておきます。
この記事のまとめ
- 2014年日本シリーズの守備妨害を事例にして、ルールの適用方法と審判のコツを紹介した
- 守備妨害が起こる前のプレイは有効である
- 審判は常にあらゆるプレイを正しくジャッジできる位置取りをすること
後味の悪い終わり方と言われますけど、たぶん私も同じことやったと思います。
あの状況なら。
ぎりぎりのところを走るくらいのことはやったでしょう。
それくらい必死にプレーしたんだろうということは、最後に付け加えておきたいです。
スリーフットレーンについて詳しいことを知りたい場合は、先ほども紹介した記事を読んでください。
公認野球規則の文章も記載して細かく説明しています。
スリーフットレーンの外側を走って起こる守備妨害のルールを徹底解説!!
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