審判のやり方 野球審判

球審のストライクゾーン判定のやり方やコツ、構え方を詳しく解説!!

2021/07/07

ストライクゾーンを見極める球審
球審の基本は、やっぱりストライクとボールの判定でしょうか。難しそうに感じますね。。。
野球少年の父(野球未経験)
おじたか
試合の中で最もジャッジすることが多いのがストライクとボールですから、そういう意味では基本と言えるかもしれませんね。

1試合で200回から300回くらいストライクかボールか判定するんじゃないでしょうか。

この記事はこんな人にオススメ

  • 球審のストライク/ボール判定のやり方を知りたい人
  • 球審の立ち位置を構え方を知りたい人

 

球審のストライクゾーンに対する正しい構え方

投球がストライクゾーンに入っているか判定するためには、正しい姿勢で構えることが大切です。

なぜなら、構え方がブレるとストライクゾーンの感覚がブレてしまい、判定のブレにつながるからです。

正しい構え方をして自分のストライクゾーンの感覚を安定させることを心がけてください。

球審の正しい構え方

  1. スロットポジションに立つ
  2. キャッチャーの後ろ足のかかとに球審の前足のつま先をそろえる
  3. キャッチャーの頭の上と球審のあごのラインをそろえる
  4. お尻を落として中腰の姿勢で構える

 

球審の構え方と立ち位置に関しては、外部サイトの動画をご紹介しておきます。

『百聞は一見に如かず』と言いますが、動画を見るとよくわかります。

もちろん文章でもポイントを整理して解説しますが、動画でイメージを作っておくほうが理解が進むと思います。

動画はNPBの審判部が監修し、NPB審判技術員の平林岳 氏が説明されているので内容は確かなものです。

 

スロットポジションに立つ

スロットポジションとは、バッターとキャッチャーの間のことです。

具体的には、次のような位置取りをするようになっています。

スロットポジション

  • キャッチャーの左耳と審判の右耳がそろう位置(バッターが右打席に入っているとき)
    ※バッターが左打席のときは、その逆

 

ちなみに、私が球審をするときは、自分なりにアレンジしています。

自分の体の中心線を打者寄りのホームベースのラインに合わせて立つのです。

こうすれば、右バッターの場合、自分の体の中心より左ならボール、右ならストライクと判定できます。

 

後の説明で出てきますが、空中にストライクゾーンを完全にイメージするのは難しいです。

なので、明確な基準線を作る方が私は判定しやすいと感じたため、そうしています。

あくまで正確なジャッジをすることが目的なので、基本を知っておきつつも自分の立ち位置を探してもいいと思います。

スロットポジションに立つ別の理由

球審がスロットポジションに立つもう1つの理由は、安全を考慮してのことです。

スロットポジションは、ファールチップが球審に当たる確率が低い位置です。

ボールが見にくいからと外角寄りに立ってしまうと、ファールチップが当たりやすくなるので注意してください。

 

キャッチャーの後ろ足と球審の前足をそろえる

次に前後の立ち位置です。

これは、キャッチャーとどれくらいの距離を取ればいいのか難しいと感じるところです。

あまり前に立つとキャッチャーのプレーを邪魔しそうだし、キャッチャーから離れすぎると投球が見にくくなります。

なので、これくらいの距離感が良いそうです。

球審の立ち位置(前後)

  • キャッチャーの後ろ足のかかとと審判の前足のつま先のラインを合わせる
  • 審判の前足のかかとと審判の後ろ足のつま先のラインを合わせる

 

キャッチャーの頭の上と球審のあごをそろえる

ストライクゾーンの高低の判定を上手くやるコツの1つは、目線の高さをできるだけ投球に合わせることです。

高い位置から見下ろすと高低のストライクゾーンがブレてしまいます

ですので、目線を下げることと一定の高さに保つことで、ストライクゾーンの感覚をブレないようにすることが大切です。

そのためには、球審は次のように頭を置くと良いとされています。

球審の頭の高さ

  • キャッチャーの頭の上と審判のあごの高さを合わせる

 

私が球審をするときは、スロットポジションと同様に自分なりの工夫を加えています。

私は、自分の目線をストライクゾーンの上限に合わせて構えるようにするのが常です。

自分の目の高さを、だいたいバッターの脇の下あたりに固定する感じです。

目線より上に行けばボールだし、目線より下ならストライクと判定しやすいからです。

 

中腰の姿勢で構える

上記1から3の位置が決まったら、その場でお尻を落として中腰の姿勢になって構えます

一度、構えたら投球が終わるまでこの姿勢を崩してはいけません。

体勢を固定し、後で説明するように目線を固定することで、ストライクゾーンの感覚をブレさせないことが大切です。

 

球審の投球に対する正しい見方

球審の構え方がわかったところで、次は投球をどのように見るかについて説明していきます。

投球の見方については、2つのトピックで説明します。

1つ目がトラッキング、そして2つ目がストライクゾーンをイメージすることについてです。

トラッキングしてボールを見る

ピッチャーがボールを投げてからキャッチャーミットに収まるまで、球審はその投球をしっかりと見ます。

このとき、頭や体は一切動かさず、目だけでボールを追いかけるようにして見ます

これがトラッキングという技術です。

トラッキングを使えば目線がブレることがなくなるため、ストライク・ボールを正確に判別できるようになります。

トラッキングのやり方

  • 目玉だけを動かしてボールを見る
  • 頭を動かしてはいけない
  • 身体を動かしてはいけない

 

トラッキングに関しても解説動画がありますので、参考に見ておいてください。

 

空中にストライクゾーンをイメージする

トラッキングでボールを追いかけつつ、その投球がストライクかボールかを判定しなければなりません。

ストライクゾーンの定義は、後で説明するとして、このストライクゾーンを空中にイメージするようにしてください。

ホームベースの上に五角形の立体をイメージして、その一部を投球が通ればストライクと判断するのです。

 

やってみればわかりますが、この五角形をイメージすることは非常に難しいです。

試合以外でも練習するなりして、このイメージをつかむ訓練をしましょう。

 

球審のストライク・ボール判定における正しい動作

ストライクゾーンをボールが通ったか、外れたかを判断したら判定を出します。

ストライク判定とボール判定の正しい動作を解説した動画は、こちらです。

3分42秒あたりから説明が始まります。

 

ストライク判定の場合

ストライクと判定するときは、次のジェスチャーとコールをします。

ストライク判定の動作

  1. 膝を伸ばして、その場でスッと立ち上がる
  2. 右手を空に高く上げてから、肘を90度に曲げる
    また、右手は拳を作る
  3. 2の動作完了と同時に「ストライク」とコールする

 

ストライク判定を上手に魅せるコツは、キャッチャーミットにボールが収まってから1呼吸置くことです。

キャッチャーミットにボールが収まったら、心の中で「1」と数えます。

それからスッと立ち上がってください。

「1」と数える→立ち上がる→「ストライク!」という感じです。

 

ボール判定の場合

ボールと判定するときは、ジェスチャーは出しません。

コールするだけです。

ボール判定の動作

  1. 構えたままの姿勢で「ボール」とコールする

 

なお、ストライク、ボールを含めた審判のジェスチャー一覧を知りたい場合は、こちらの表を参照してください。

参考
野球審判のストライクコール
野球審判のジェスチャーとコールを網羅した一覧表まとめ!!

続きを見る

 

野球ルールにおけるストライクゾーンの定義

公認野球規則では、ストライクゾーンを次のように定義しています。

ストライクゾーンを投球が少しでもかすめていれば、ストライクです。

ここで定義される高さを持つホームベースの五角形がストライクゾーンになり、それが空中にあるイメージです。

打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。

このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。

引用元:公認野球規則2021年度版 定義74より

 

球審の責任について

球審は最終責任者

少年野球においては、試合の中では球審が最終的な責任を負うことになると思います。

なぜなら、少年野球の場合、野球ルールに精通している人、審判に慣れている人が球審を務めることが多くなるからです。

例えば、審判同士でアウト、セーフのジャッジが異なったり、塁審がよそ見してジャッジできなかったとき、最終的には球審が判定を下します。

 

ですので、球審はあらゆる状況において、毅然とした態度でジャッジすることが求められます。

それは、ストライク、ボールの判定においても同様です。

 

球審が犯しやすいミス

ストライク、ボール関連でよくあるミスがカウントの数え間違いです。

1球ずつ漏れなくカウントするように注意しましょう。

私の経験上、次のような場面ではカウントを忘れやすいです。

カウントを忘れやすい場面

  • ファールの後、すぐにピッチャーにボールを渡すとき
  • 暴投やパスボールでランナーがホームに還ってくるプレーが発生したとき
  • その他、集中力が切れたとき

 

球審がミスを防ぐために行うべきこと

カウントを忘れるというミスを防ぐためには、時々カウントを確認することが重要です。

左手でボールカウント、右手でストライクカウントを出しながらそのカウントを声に出して言います。

例えば、「1ボール、2ストライク!」みたいな感じで。

間違っていれば、そこで誰かが指摘してくれると思います。たぶん。。。笑

 

よって、球審をやるのであれば、必ずインジケーターだけは準備しておいてください

インジケーターでストライク、ボールをカウントするのです。

頭でカウントしていたら、絶対に忘れますからね。笑

 

他の道具は持っていなくてもなんとかなりますが、インジケーターだけは必須です。

塁審でも持っておいた方がいいので、まだ持っていない場合は入手しておくことをオススメします。

インジケーターの種類は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事
野球のスコアボード
インジケーターの種類を徹底解説!野球審判用におすすめのベストな1品はこれだ!!

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【参考】球審のやり方解説記事のまとめ

野球の球審は、責任のウエイトが高いポジションであり、難しいポジションです。

ですので、球審に特化した解説記事をいくつか用意しています。

球審を務めることがあれば参考にしてください。

関連記事
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球審のジェスチャーやコールのやり方をプレーごとに解説した記事まとめ

続きを見る

 

少年野球審判の効率的な学び方

ただでさえ膨大に定義されている野球ルールに加えて審判のルールと、

野球審判が覚えなければならないことはたくさんあります。

公認野球規則は、細かい文字で約230ページのボリュームです。

 

野球を知らないお父さんが審判をするハードルが高いわけです。

そこで、試合でよくあるケースに絞って審判のやり方が学べる方法を紹介しています。

ぜひチェックしてみてください。

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少年野球のルールの覚え方|試合でよく使うルールだけをピンポイントで知る方法とは!?

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【参考】公認野球規則について

公認野球規則は、日本における野球ルールを定義している公式ルールブックです。

当ブログの記事は、2021年度版公認野球規則に基づいて書かれています。

野球のルールは毎年少しずつ改正されており、この改正部分を抜粋したページが公認野球規則にはあります。

その抜粋を読むだけでルール改正内容が分かるのが、この本のメリットの1つです。

野球の審判、少年野球のコーチなど、ルールを運用・指導するなら必携の一冊です。

 

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  • この記事を書いた人

おじたか@親父審判

・歴40年以上3点セット
 -野球観戦歴
 -阪神タイガースファン歴
 -大阪在住歴
・マニアックな野球ルールが好き
・審判は機会があれば毎回引き受けている
・Twitterもやってます

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