腕に当たったら腕を指して、足に当たったら足を指す感じでいいんでしょうか?
ただ、デッドボールのときのジェスチャーやコールって、サイトごとにいろいろな説明があるようですね。
『結局どないやねん?』っていうのがわかりにくいので、整理しておきましょう。
この記事はこんな人にオススメ
- デッドボールのジェスチャーとコールのやり方を知りたい人
- デッドボールのコールについて、いろいろなサイトで異なる説明があって混乱している人
- デッドボールか紛らわしいときの対処方法を知りたい人
デッドボールのジェスチャーとコールの基本
最初にデッドボールのジェスチャーとコールの基本を確認しておきましょう。
ジェスチャーとコールの基本
- 球審はデッドボールと判断したら、即座に両手を広げて高く上げる。
(ファウルやタイムのときと同じジェスチャー) - そのジェスチャーと同時に「ヒット・バイ・ピッチ」とコールする。
- 左手で一塁を指差して、バッターへ一塁に進塁するよう促す。
- 審判自身の身体を使って、投球の当たった箇所を指し示す。
これがデッドボールのときの球審のジェスチャーとコールの基本動作です。
ただし、「投球の当たった箇所を指し示す」に関しては、必須ではありません。
このジェスチャーは、投球がバッターのどの部分に当たったのかを明確に周知することが目的です。
よって、当たったことが誰から見ても明らかな場合は、身体を指し示さなくてもいいです。
もし、投球が当たった箇所を示すジェスチャーをするのであれば、当たった箇所を正確に指し示すことが必要です。
手に当たったなら手を指す、腕なら腕を指す、足なら足を指すという感じですね。
これは球審がちゃんと当たったことを確認したよという意思表示でもあります。
「文句言うなよ」と。笑
野球審判のジェスチャーとコールを網羅した一覧表まとめ!!
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デッドボールか判断が難しい場合の対処方法
明確にデッドボールとわかればいいのですが、そんな簡単にわからないケースもありますよね。
そんな場合はどうやって対処すればいいのでしょうか。
想定されるケースごとにジャッジの仕方を見ていきましょう。
投球が明らかにバッターに当たった場合
バッターに投球を避ける意思があった
このケースは、まさに「デッドボール」のケースです。
上に書いた基本通り、「ヒット・バイ・ピッチ」をコールしてバッターを一塁に進塁させましょう。
特に難しいことはないですね。
バッターに投球を避ける意思がなかった
バッターが投球を避けようとしなかった場合は、デッドボールになりません。
プロ野球は全く避ける意思がなくてもデッドボールになっているので誤解されがちなんですが、ルール上はデッドボールではないんです。
このケースは、「ボール」になります。
バッターに避ける意思があるかどうかは、球審の判断で決めます。
公認野球規則にも次の通り明確に規定されているんですよ。
(2)打者が打とうとしなかった投球に触れた場合
(中略)
しかし、投球がストライクゾーンの外で打者に触れ、しかも、打者がこれを避けようとしなかった場合には、ボールが宣告される。
引用元:公認野球規則2021年度版 5.05b(2)より
これに関しては、プロ野球を参考にしてはいけません。
少年野球の場合は、デッドボールとはせずに投球を避けるように指導するべきです。
これはプレーヤーの安全を守るためです。
バッターに避ける意識を持たせることで、大きなケガを防ぐことにつながると思います。
避けない場合は、デッドボールにしないで欲しいと思っています。
子供たちが見ていますからね。ルール通り正しく運用してほしいなというのが希望です。
バットのグリップエンドまたは手のどちらに当たったか不明の場合
ボールがファウルゾーンに飛んだとき
このケースは、即座にジャッジする必要はありません。
グリップエンドか手か、どちらに当たったかを確認したうえでジャッジすればいいです。
グリップエンドならファウルであることをジェスチャーとコールで示します。
手であればデッドボールであることをジェスチャーとコールで示します。
ボールがフェアゾーンに飛んだとき
反対にフェアゾーンにボールが飛んだ場合は、即座に判定する必要があります。
グリップエンドに当たっていれば、プレーが続きますので。
ただ、そうは言ってもグリップエンドか手か判断が難しいケースはありますよね。
ここからは私の個人的な見解になりますが、そういった場合はプレーを止めないことが必要だと思っています。
だから、フェアゾーンに飛んだ場合は絶対にタイムをかけないこと。
何も言わずに、まずプレーを続けさせる。
そして、プレーが落ち着いたところでタイムをかけて他の審判員とも相談したうえでジャッジするのが良いと思います。
デッドボールが頭部に当たった場合
デッドボールのジェスチャーとコールに関する説明は以上になります。
ここで頭部への死球があった場合について、少し話をしておきたいと思います。
野球で最も危険なケースの1つは、頭部にボールが当たった時です。
バッターはヘルメットを被っているので、ある程度衝撃を吸収してくれますが、それでも危ないことには変わりないでしょう。
ですので、頭部にデッドボールが当たった時は、慎重に処置をしないといけません。
私が球審をしていた時、投球がバッターの顔面に当たってしまった経験があります。
鼻血が出ていましたが、幸い意識はありました。
また、しっかりと受け答えができていたので、大したことはないかなという感じでした。
しかし、やはりすぐに病院へ連れていってもらいました。
選手が大丈夫と言っても、後から様子が変わることもあると聞いたことがあります。
ですので、頭部へのデッドボールがあった時は、その選手にプレーを続けさせることは止めていただきたいなと思っています。
そのために臨時代走というルールもあるので、必ずこれを使って選手の安全を守っていただきたいです。
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デッドボールに限らず、頭部にボールが当たったときは、くれぐれも慎重に対応しないといけないなと思います。
デッドボールのジェスチャーとコールまとめ
デッドボールのときの球審のジェスチャーとコールについて説明をしてきました。
基本だけでなく、判断が難しい場合の対応方法についても共有しました。
内容を整理しておきます。
デッドボールのジャッジまとめ
- デッドボールの時は、「ヒット・バイ・ピッチ」とコールする
- バッターに避ける意思がないときは、デッドボールにならない
- デッドボールか判断が難しく、かつフェアゾーンに飛んだ場合はプレーを続けさせる
- 頭部への死球があったときは、選手の安全を守ることを第一に考えた処置をする
その他、球審のジャッジの仕方について知りたいことがあれば、こちらのページを参照してください。
コンテンツは随時増やしていく予定にしています。
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ただでさえ膨大に定義されている野球ルールに加えて審判のルールと、
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公認野球規則は、細かい文字で約230ページのボリュームです。
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