野球ルール 内野手/外野手

アピールプレーとは?アピール権の消滅までルールを徹底解説!!

2020/12/12

2塁から3塁へ走るランナー
アピールプレーはどのような場面で必要になるのでしょうか?

そもそもアピールプレーって何ですか?

野球少年の父(野球未経験)
おじたか
そうですね。実際の試合ではよく目にしているはずなんですよ。
アピールプレーって。

アピールプレーが必要なケースを挙げながらアウトにする方法を説明していきましょうか。

アピールプレーとは?

アピールプレーとは、守備側の選手が審判にアピールしてアウトを取るプレーのことです。

アピールの方法は2つあり、いずれもインプレーの時にアピールする必要があります。

アピールの方法

  1. ボールを持った野手が、ランナーにタッチする
  2. ボールを持った野手が、ランナーが踏み忘れたベースに触れる
    ※ボールの入ったグラブでベースにタッチする、またはベースを踏むと触れたことになります。

アピールプレーが必要な時は審判からアウトと判定することはありません。

よって、野手はアピールプレーがどんな時に必要になるのかを理解し、審判に対して適切にアピールしなければなりません。

 

アピールしないとアウトにできないケース

ランナーをアウトにするためにアピールが必要とされるケースは、公認野球規則で下記4つと規定されています。

アピールしないとアウトにできないケース

  1. ランナーがリタッチ義務を果たしていない
  2. ベースの踏み忘れ
  3. 直ちに一塁へ帰塁しない
  4. 本塁の踏み忘れ

繰り返しになりますが、これらのケースでは野手が審判に対してアピールしなければランナーはアウトになりません。

それぞれのケースにおいて具体的な例を挙げながらアピールプレーでアウトにする方法を説明していきます。

 

ランナーがリタッチ義務を果たしていない

アウトにする方法を説明する前にリタッチ義務とは何か確認しておきます。

リタッチ義務とは

フライが捕球された時に、その捕球前に塁を離れているランナーは、必ず自分のいた塁に戻らなければなりません。

これをリタッチ義務と言います。

つまり、ランナーはフライが捕球される前に塁を離れてはいけないということです。

なお、リタッチ義務を果たした後の進塁は自由です。

では、ランナーがリタッチ義務を果たしていないプレーとはどんなプレーでしょうか。

これには2つのプレーが考えられます。

いずれもランナーが元の塁に戻る前に野手がアピールすればそのランナーはアウトになります。

リタッチ義務を果たしていないプレー

  1. ランナーがタッチアップした時、フライが捕球される前にベースから離れている
  2. フライが捕球される前にランナーがベースから飛び出している

 

ベースの踏み忘れ

ランナーが進塁する時

バッターまたはランナーがベースを踏まずに通過した時、そのランナーがベースを踏みなおす前に野手がアピールすればランナーはアウトになります。

 

ランナーが帰塁する時

帰塁時も進塁時と同様にベースを踏まずに通過すれば、野手のアピールでランナーはアウトになります。

例えば、フライを捕球された時、1塁ランナーが既に2塁を回って3塁手前まで到達していたとします。

フライが捕球された時点で、この1塁ランナーにはリタッチ義務が生じます。

ここで1塁ランナーが2塁を踏まずに1塁に戻った場合、アピールプレーでランナーをアウトにすることができます。

ここがポイント

インプレーのとき、ランナーは進塁と逆順に帰塁しなければなりません。

極端なケースで言えば、フライを捕球された時に1塁ランナーが本塁手前にいるなら、このランナーは3塁→2塁→1塁の順にベースを踏んで戻らなければなりません。

ちなみに、打球がファールとなった場合はインプレーではないので通過した塁を踏まずに元の塁に戻ることができます。

 

直ちに一塁へ帰塁しない

これはレアケースだと思います。

バッターが1塁をオーバーランやオーバースライディングをした後はすぐに1塁へ戻らなければならないと野球規則に規定されています。

これを怠ると、アピールプレーでアウトになるというものです。

でも、実際の試合ではほとんど見たことがないですね。

 

本塁の踏み忘れ

これはベースの踏み忘れと似たようなケースですが、本塁のみに対する規定があるんです。

おそらく本塁の場合は、クロスプレー等でベースを踏めなかったことを想定しているんじゃないかなと思います。

そのため、規定には次のように書かれています。

走者が本塁に触れず、しかも本塁に触れ直そうとしないとき、本塁に触球された場合

例えば、ランナーが本塁を踏まずにベンチに戻ったときは、アピールプレーでランナーをアウトにできます。

(ランナー自身は「本塁を踏んだ」と思っているけど、実際には踏めていなかったということでしょうね。)

 

アピール権の消滅

守備側がアピールする権利は、いつまでもあるわけではありません。

アピール権が消滅するタイミングは2つあります。

アピールの権利が消滅するタイミング

  1. 次のプレーが開始された時
  2. イニング終了時、投手および内野手がファウルラインを越えてファウルゾーンに入った時

1の「次のプレーが開始」とは具体的にいつなのかという疑問があるかもしれません。

やや抽象的な表現ですね。

 

「次のプレー開始」とは、ピッチャーが次のバッターに投球する、あるいは塁へ送球する時と考えておけばいいでしょう。

おおよそプレーはピッチャーがボールを持っているところから開始されますからね。

ですので、アピールしたいときはピッチャーが投球または送球するまでにアピールすると覚えておくといいでしょう。

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【参考】公認野球規則について

公認野球規則は、日本における野球ルールを定義している公式ルールブックです。

当ブログの記事は、2021年度版公認野球規則に基づいて書かれています。

野球のルールは毎年少しずつ改正されており、この改正部分を抜粋したページが公認野球規則にはあります。

その抜粋を読むだけでルール改正内容が分かるのが、この本のメリットの1つです。

野球の審判、少年野球のコーチなど、ルールを運用・指導するなら必携の一冊です。

 

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  • この記事を書いた人

おじたか@親父審判

・歴40年以上3点セット
 -野球観戦歴
 -阪神タイガースファン歴
 -大阪在住歴
・マニアックな野球ルールが好き
・審判は機会があれば毎回引き受けている
・Twitterもやってます

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